こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
矯正治療では、歯に装着したワイヤーやブラケットが外れることがあります。些細なことのように思えるかもしれませんが、放置すると治療の進行に影響を及ぼす可能性もあります。
この記事では、矯正装置が外れる原因や放置によるリスク、そして正しい対処法について詳しく解説します。
目次
矯正治療中にワイヤーやブラケットが外れる原因
矯正治療中に使われるワイヤーやブラケットは繊細な構造のため、さまざまな原因で外れることがあります。ここでは、主な原因を4つに分けて詳しく解説します。
硬さ・粘着性のある食べ物による影響
ワイヤーやブラケットに強い負荷がかかると、外れる原因になります。特に注意が必要なのは、以下のような食品です。
- おせんべい
- ナッツ
- キャラメル
- ガム
- お餅
こうした食品を噛んだ際の衝撃は、装置の破損や脱落を招くことがあります。食事の際は食材の硬さに注意し、なるべく小さく切って噛む工夫が必要です。
スポーツや就寝中の衝撃
スポーツ中の接触や転倒、また就寝中の歯ぎしりや食いしばりが原因で、装置が外れることがあります。特にマウスピースなどの保護具を使用していないときは、リスクが高まります。運動時にはマウスガードの装着が推奨されます。
接着剤の劣化や装着時の不具合
ブラケットは専用の接着剤で歯に装着されていますが、長期間の使用で劣化し、接着力が弱まることがあります。また、取り付けの際に唾液や水分が歯面に残っていると、装着が不安定になり、時間が経ってから外れることもあります。
歯磨きやデンタルケア時の負担
歯磨きの際にブラケット部分を強くこすったり、フロスを無理に通そうとしたりすることで、装置が外れる場合もあります。矯正中は特に丁寧なケアが必要ですが、力を入れすぎることなく、優しく清掃することが大切です。
ワイヤーやブラケットが外れた状態を放置するリスク
矯正治療中にワイヤーやブラケットが外れた場合、自己判断で放置される方もいます。
しかし、装置の脱落やズレを放置することは、治療の進行に大きな悪影響を与える可能性があります。ここでは、具体的なリスクについて解説します。
歯の移動が予定通りに進まない
ワイヤーやブラケットは、歯を正しい位置へ移動させるために綿密に設計されています。これらが外れた状態では、歯への力のかかり方が不均等になり、計画通りの方向に歯が動かなくなる恐れがあります。
本来であれば数ヶ月で完了するはずの工程が遅延することもあり、治療期間が長引く可能性が高くなります。
歯並びやかみ合わせが崩れるおそれ
装置が外れたままになっていると、一部の歯だけが動いてしまい、歯列全体のバランスが崩れることがあります。これにより、かみ合わせがずれたり、仕上がりに影響が出たりするなど、治療のやり直しが必要になることもあります。
また、動いてはいけない方向へ歯が動くと、元の計画に戻すまでに余計な時間と費用がかかるケースもあります。
口腔内を傷つける可能性がある
外れたワイヤーの先端が頬の内側や歯ぐきに刺さることで、口内炎や粘膜の損傷を引き起こす可能性もあります。特に、ワイヤーが飛び出している場合は、話す・食べるといった日常動作にも支障をきたすため、早めの対処が必要です。
放置すればするほど、口の中に痛みや違和感が広がり、食事や睡眠に支障をきたすこともあるでしょう。
細菌の温床になるリスク
外れた装置が歯にぶら下がっていたり、ワイヤーが歯ぐきに当たっていたりすると、その周囲に汚れがたまりやすくなります。適切な清掃ができず、むし歯や歯周病のリスクが高まる点も見逃せません。
矯正中は通常よりも口腔内が不衛生になりやすいため、外れた装置がある状態での放置は、衛生面でも大きな問題になります。
医院との信頼関係に影響を与える
装置が外れていることに気づきながら来院まで申告しない、あるいはトラブルが起きたのに通院を後回しにすると、治療計画が狂うだけでなく、医院側の対応も難しくなります。
矯正治療は医師との信頼関係が不可欠です。小さなトラブルも早めに報告し、速やかに対処することが、スムーズな治療につながります。
矯正治療中にワイヤーやブラケットが外れたときの対処法
矯正装置のワイヤーやブラケットが外れたときは、慌てず冷静に対処することが大切です。自己判断で無理に触ると、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
ここでは、装置が外れた際の正しい対処法を紹介します。
状況を確認する
ワイヤーやブラケットが外れたときは、まず鏡で口の中を確認し、どの部分が外れているのかを把握しましょう。ワイヤーの先端が粘膜に当たって痛みを感じる場合や、ブラケットが歯から完全に取れている場合もあります。
ワイヤーが頬の内側を刺しているようであれば、その部分をガーゼやワックスで覆って保護してください。矯正用ワックスは歯科医院や市販のものでも入手できるため、備えておくと安心です。
無理に押し込んだり外したりしない
外れた装置をご自身で元の位置に戻そうとしたり、引き抜いたりするのは避けましょう。誤った処置によって、歯や歯ぐきを傷つける恐れがあります。特に、力を入れて動かすのは危険です。
一時的に痛みや不快感を和らげるためには、外れた装置にワックスを詰める、やわらかい食べ物を選ぶなどの工夫が有効です。
歯科医院に連絡する
装置が外れたことに気づいたら、できるだけ早く矯正歯科に連絡しましょう。たとえすぐに受診できなくても、状況を伝えることで応急処置の方法や予約の調整について指示を受けられます。
また、外れた装置は捨てずに保管し、来院時に持参しましょう。再装着が可能な場合、時間と費用を節約できる可能性があります。
応急処置を行う
口の中に強い痛みがある場合や、ワイヤーが大きく飛び出している場合などは、応急処置をしてもらうための臨時受診が必要になります。無理をして過ごすと、症状が悪化するおそれがあるため、我慢せずに歯科医院に相談しましょう。
矯正治療中にワイヤーやブラケットが外れるのを防ぐには
矯正装置のワイヤーやブラケットが外れることは、治療中によくあるトラブルの一つです。
しかし、日常生活の中でいくつかのポイントに注意することで、これらのトラブルを未然に防げます。以下に、具体的な予防策を紹介します。
食事に注意する
硬い食べ物や粘着性のある食品は、矯正装置に過度な負荷をかける可能性があります。例えば、ナッツ類やフランスパン、キャラメルなどは、装置が外れる原因となることがあります。食事の際は、食材を小さく切って奥歯で噛むようにし、前歯で噛み切ることは避けましょう。
口腔内の清潔を保つ
矯正装置周辺の清掃が不十分だと、接着剤の劣化や虫歯のリスクが高まります。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使用して、装置の周囲を丁寧に清掃することが大切です。定期的な歯科医院でのクリーニングも効果的です。
無意識の習慣に注意する
頬杖をついたり、うつ伏せで寝たりする習慣は、矯正装置に不必要な力を加える原因となります。また、装置が気になって舌や指で触れることも、外れる要因となる可能性があります。これらの習慣を意識して避けるようにしましょう。
スポーツ時の対策
運動中の衝撃から矯正装置を守るために、スポーツ用のマウスガードを使用することが推奨されます。特に、コンタクトスポーツを行う際には、装置の破損や口腔内の怪我を防ぐために、マウスガードの着用を検討してください。
これらの予防策を日常生活に取り入れることで、矯正装置のトラブルを減らし、治療をスムーズに進められます。装置が外れることを防ぐためにも、日々の生活習慣を見直し、適切なケアを心がけましょう。
まとめ
矯正治療中にワイヤーやブラケットが外れることは、珍しいトラブルではありません。
しかし、そのまま放置すると、治療の遅れや歯の動きのズレといったリスクにつながります。原因の多くは食生活や生活習慣にあるため、日頃から予防を意識することが大切です。
万が一外れた場合には、自己判断せず早めに歯科医院へ連絡しましょう。適切に対応することで、スムーズに矯正を進められます。
ワイヤー矯正を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、一人ひとりのライフステージに沿った歯科医療を提供できるよう努めています。小児・成人矯正や予防歯科、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな診療に力を入れています。
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奥村 亮司