こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
インビザライン矯正中はお口の中が虫歯になりやすい環境になります。きれいな歯並び・噛み合わせに整えたいけれど、虫歯になりやすいと聞いて始めるか悩んでいる方もいるでしょう。
インビザライン矯正中に虫歯になったらどうしたらよいのでしょうか。また、インビザライン矯正中の虫歯を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。
今回は、インビザライン矯正中に虫歯になったときの対処法や虫歯にならないための予防法について解説します。インビザライン矯正中に虫歯になる原因についても解説しますので、インビザラインを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
虫歯があるとインビザラインで治療できない?
インビザラインの治療を開始する前に虫歯が見つかった場合は、虫歯治療を先に完了させます。
矯正治療を始めてから虫歯治療をおこなう場合、虫歯の大きさによっては矯正治療を中断する必要があったり、虫歯治療後にマウスピースが合わなくなって再作製が必要になったりするためです。
また、矯正治療は症例によっては2年以上かかるケースも少なくありません。矯正治療を優先して虫歯治療を後回しにすると虫歯が進行して痛みなどの自覚症状が出たり神経の処置が必要になったりするリスクがあります。
そのため、インビザラインを始める前に虫歯が見つかった場合は先に虫歯治療を優先させるのが一般的です。
インビザライン矯正中に虫歯になった場合は
虫歯にならないように気をつけていてもインビザライン治療中に虫歯になってしまうケースも少なくありません。虫歯治療で歯を削った場合は、詰め物や被せ物で補う必要があります。
インビザライン治療中に虫歯になった場合は、虫歯の大きさや自覚症状の有無などによって対応方法が異なります。虫歯が小さく矯正治療に支障がない場合は、矯正治療と並行して虫歯治療をおこなっていくのが一般的です。
一方、虫歯が大きく、被せ物や神経の処置が必要な場合は、インビザラインの進行状況や虫歯の状態などを確認したうえで総合的に判断します。
選択肢としては、虫歯部分に応急処置をおこなってインビザライン治療が完了したら虫歯治療を開始する方法と、インビザライン治療を一時的に中断して虫歯をしっかり完治させてから再びインビザラインでの矯正治療を開始する方法です。
後者を選択した場合、虫歯治療後にマウスピースが合わなくなりマウスピースの再作製が必要になる可能性が高いです。マウスピースの再作製が必要になると治療期間が長くなるほか、費用も追加でかかるケースもあります。
そのため、インビザライン治療中はなるべく虫歯にならないようにすることが大切なのです。
インビザライン矯正中に虫歯になる原因
インビザライン治療中は何もおこなっていない状態と比較して虫歯になるリスクが高くなります。インビザライン治療中はなぜ虫歯になりやすいのでしょうか。
インビザライン治療中に虫歯になる原因は、主に以下の3つです。
- 口内が乾燥しやすい
- 唾液の作用が得られにくくなる
- アタッチメントに汚れが残りやすい
それぞれ詳しく解説します。
口内が乾燥しやすい
インビザライン治療中は口の中が乾燥しやすい環境になります。インビザラインのマウスピースは0.5mm程度と薄く、違和感をおぼえにくい点が特徴です。
しかし、上下に装着すると1mm程度の厚みになるので何も付けていない状態と比較すると、口が閉じにくく乾燥しやすい環境になります。
口内が乾燥すると、唾液の抗菌作用や再石灰化作用などの効果が薄れるため、歯の表面にプラークが多く残ると虫歯になる可能性が高くなるでしょう。
なお、プラークが乾燥すると歯ブラシで落としにくくなるため、より虫歯のリスクが高くなります。
唾液の作用が得られにくくなる
唾液には、歯の表面に残る汚れを洗い流す自浄作用や抗菌作用があります。
しかし、インビザライン矯正中は、歯の表面がマウスピースで覆われています。唾液が歯の表面に行き届きにくい環境になるため、虫歯になるリスクが高まるのです。
アタッチメントに汚れが残りやすい
アタッチメントとは、歯の表面に直接接着して矯正力をコントロールする突起物です。
矯正治療をスムーズにおこなうために必要なパーツですが、アタッチメントの周りには汚れが残りやすく、磨き残しがあると虫歯の原因になります。
インビザライン矯正中に虫歯になるのを予防する方法
インビザライン矯正中に虫歯になると虫歯の状態によっては矯正治療を中断しなければならないケースもあります。そのため、なるべくインビザライン矯正中は虫歯にならないように努めることが重要です。
以下に、インビザライン矯正中に虫歯になるのを防ぐ方法について解説します。
水分を補給する
上述のとおり、口内が乾燥すると虫歯菌の活動が優位になるため虫歯になるリスクが高まります。そのため、こまめに水分補給をすることが重要です。
なお、水分補給をするときは、糖分の入っていない水やお茶を選びましょう。
飲食時はマウスピースを外す
インビザライン矯正中、飲食をするときは必ずマウスピースを外しましょう。
特に、マウスピースを装着したまま甘いものを飲むと、マウスピースと歯との間に飲み物に含まれる糖分が入り込む可能性があります。糖分が歯の表面に長時間触れると、虫歯菌によって歯が溶けるリスクがあるのです。
糖分を歯の表面に残さないためにも、飲食時はマウスピースを外す習慣をつけましょう。
マウスピースは洗浄して装着する
飲食時とブラッシング時に外したマウスピースはかならず洗浄するようにしましょう。
マウスピースの表面にはプラークなどの汚れや細菌が付着しています。洗浄せずに再び口内に装着すると、マウスピースの表面に付いた細菌が口内に入り込んでしまいます。そのため、マウスピースを外した際には洗浄することが重要なのです。
マウスピースを洗浄する際は、研磨剤入りの歯磨き粉は使用しないようにしましょう。研磨剤入りの歯磨き粉でマウスピースを洗うと表面に細かい傷が付く可能性があります。マウスピースに傷がつくと、虫歯の原因になる細菌が付着しやすくなるでしょう。
マウスピースを洗浄する際は歯磨き粉を使用せず、指ややわらかめの歯ブラシで洗いましょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使用する
フッ素には歯質を強化する作用や溶け出した歯の表面を修復する作用、虫歯菌の抑制効果などがあります。
マウスピース装着中は虫歯になりやすい環境になるため、積極的にフッ素を取り入れるといいでしょう。ブラッシング時にフッ素入りの歯磨き粉を使用することで虫歯予防が期待できます。
ただし、ブラッシング後に強くうがいをするとフッ素が流れ出てしまい、十分な効果を発揮できない可能性が高くなります。ブラッシング後は水分を吐き出すだけか、軽くゆすぐ程度にしましょう。
まとめ
インビザライン矯正中はマウスピースを装着するため口内が乾燥しやすく、唾液の自浄作用や再石灰化作用などの効果が得られにくい口内環境になります。
そのため、歯の表面やマウスピースに汚れが残っていると虫歯菌などの細菌の活動が優位になり、虫歯になるリスクが高まります。
インビザライン矯正中に虫歯になった場合は、矯正治療と並行して虫歯治療を行うケースと、矯正治療を一時中断して虫歯治療を行うケースがあります。虫歯治療によってマウスピースが合わなくなり再作製が必要になると、追加で費用が発生する可能性もあるでしょう。
インビザライン矯正中に虫歯になるのを予防するためには、水分補給をして口内の乾燥を防ぎ、しっかりとセルフケアを行うことが重要です。また、マウスピースの洗浄もしっかり行いましょう。
インビザラインを検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司