こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。

歯並びを整えるワイヤー矯正は、見た目だけでなく、噛み合わせや歯の健康を改善するためにも有効な治療法です。
しかし、矯正装置を装着することで、日常の食事がこれまでのようにスムーズにいかなくなることがあります。食べづらさや痛み、食べ物の制限、装置に食べ物が絡まる不快感など、思わぬ悩みに直面する方も少なくありません。
そこで本記事では、ワイヤー矯正中に避けたい食べ物や食事の工夫、痛みへの対処法、さらには正しい歯磨きの方法までわかりやすく解説します。これから矯正を始める方や現在治療中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ワイヤー矯正とは

ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯に力をかけ、ゆっくりと理想的な位置に動かしていく矯正治療です。目立ちやすい装置ではありますが、歯を細かく動かすことができるため、多くの歯並びの悩みに対応可能です。
治療期間は一般的に1〜3年ほどで、終了後にはリテーナーという保定装置で歯の後戻りを防ぎます。
ワイヤー矯正は、見た目を整えるだけでなく、発音や食事のしやすさ、虫歯・歯周病リスクの低減にもつながる大切な治療です。最近では、目立ちにくいタイプの装置も登場しており、大人になってから始める人も増えています。
ワイヤー矯正中の食事で注意すべきこと

ワイヤー矯正中は、装置にかかる負担や口内環境の変化により、これまでのように自由な食事が難しくなる場面もあります。装置の破損や虫歯を防ぐためにも、日々の食事内容にはいくつか気をつけたいポイントがあります。以下に詳しく解説します。
硬い食べ物は避ける
せんべい、ナッツ、フランスパンなどの硬い食品は、ブラケットやワイヤーに強い力が加わり、外れる原因になります。装置が壊れると再診や修理が必要となり、治療期間が延びることもあるため注意が必要です。
どうしても食べたい場合は、小さくカットしたり、柔らかく調理したりして負担を軽減させる工夫をしましょう。
粘着性の高いものは控える
キャラメルやガム、あんこ、お餅といった粘着性の高い食品は、矯正装置にくっつきやすく、外れる原因になります。さらに、歯の表面や装置の隙間に入り込んで取りにくくなることもあり、虫歯や炎症を引き起こすリスクが高まります。そのため、控えることが推奨されます。
繊維質のものは控える
ごぼう、セロリ、えのき、長ねぎなど、繊維質の多い野菜は、装置に絡まることがあります。特に繊維が長く残る食材は、ブラケットの間に引っかかって取りにくくなることもあり、食後のケアに手間がかかります。
食べる場合は細かく刻んだり、柔らかくなるまでしっかり加熱調理したりすることで、負担を減らすことができます。
糖分の多い食品の摂取を控える
矯正装置があると、歯と装置の間に汚れが残りやすく、通常よりも虫歯のリスクが高くなります。
特に糖分を含む飲食物は、虫歯菌のエサとなるため注意が必要です。チョコレート、ジュース、甘いパンやお菓子などを頻繁に摂取するのは避け、摂取したあとはすぐに歯磨きをするよう心がけましょう。
食事の時間と回数にも気を配る
矯正中は、長時間食べ続けるだらだら食べも避けたい習慣の一つです。だらだら食べをする習慣があると、口腔内が酸性に傾いた時間が長くなり、虫歯になるリスクが高まります。
1日3回の食事を決まった時間に摂り、間食を減らすなどの食習慣を意識しましょう。夜食も避け、寝る前には丁寧に歯磨きを行うことが重要です。
飲み物も選び方が大切
見落としがちですが、飲み物の選び方にも注意が必要です。炭酸飲料や砂糖を多く含む清涼飲料水は、虫歯のリスクを高めるだけでなく、装置にも影響を与える可能性があります。
矯正中は、できるだけ無糖のお茶や水、常温の白湯などを選ぶのが理想的です。また、冷たい飲み物は敏感になっている歯に刺激を与えることがあるため、常温またはぬるめの飲み物がよいでしょう。
ワイヤー矯正中でも食べられるもの

矯正中は食事に制限があるとはいえ、工夫次第で美味しく、そして安全に食べられるものはたくさんあります。無理に我慢するのではなく、矯正中の状態に合った食材や調理法を選ぶことで、快適に過ごすことができます。
ここでは、ワイヤー矯正中でも食べられるものについて解説します。
柔らかい食べ物
矯正中は歯が動くことで痛みや違和感が生じやすくなります。そのため、柔らかくて噛まずに食べられるものを選びましょう。
たとえば、おかゆや雑炊、煮込みうどん、ポタージュスープなどは、歯に負担をかけず栄養も取りやすいメニューです。また、豆腐やバナナ、ヨーグルト、卵料理なども、口当たりが良く、調理の手間も少ないので日常的に取り入れやすいでしょう。
小さくカットしたもの
見た目には問題なさそうな食べ物でも、大きいまま口に入れて噛もうとすると、ブラケットやワイヤーに強い力がかかります。
肉や魚、野菜、果物などは一口サイズに切ってから食べることで、装置にかかる負担を軽減できます。また、にんじんのように硬めの食材は、加熱して柔らかくしたうえで小さくカットすることで、無理なく食べられるようになります。
食事のときに痛みや違和感があるときの対処法

矯正治療中は、ワイヤーの調整や歯の移動に伴って、食事の際に痛みや違和感を覚えることがあります。特に矯正を始めた直後や装置の調整直後は、歯が圧迫されるような感覚や噛みにくさを感じやすくなります。
装置の調整後は、歯が動くことで一時的に圧力がかかり、噛むだけでも痛みを感じることがあります。そのようなときは、無理に噛もうとせず、なるべく歯を使わずに食べられるメニューを選びましょう。
たとえば、おかゆ、ポタージュ、プリン、ゼリーなど、柔らかいものがよいでしょう。
ワイヤー矯正中の歯磨きの仕方

ワイヤー矯正中は、ブラケットやワイヤーの影響で歯磨きが難しくなり、汚れが残りやすくなります。そのままにしておくと虫歯や歯肉炎の原因になるため、いつも以上に丁寧なケアが求められます。正しい道具の使い方と磨き方を知ることで、清潔な口腔環境を保つことができます。
ワンタフトブラシで細かい部分を丁寧に磨く
通常の歯ブラシだけでは、ブラケットやワイヤーの隙間にたまる汚れを取りきれないことがあります。そこで役立つのがワンタフトブラシです。先が小さくとがった形をしているため、装置の周囲や奥歯の裏側など、磨きにくい箇所にもピンポイントで届きます。
通常の歯ブラシで全体を磨いたあとに、仕上げとして使用するのがよいでしょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使う
ワイヤー矯正中は、どうしても磨き残しが出やすくなるため、虫歯のリスクが高まります。そこで、フッ素が配合された歯磨き粉を使用することで、歯の再石灰化を促し、酸に強い歯を保つことができます。
磨いたあとは何度も口をすすがず、フッ素が少し口の中に残るようにすることが大切です。
デンタルフロスや歯間ブラシを活用する
ブラケットがあると、歯と歯の間の汚れがさらに落としにくくなります。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシも積極的に使いましょう。矯正専用のフロススレッダーを使えば、ワイヤーの下にフロスを通すことも可能です。
歯間ブラシはサイズが合っていないと歯ぐきを傷つける恐れがあるので、自分の歯の状態に合ったものを選ぶことが大切です。
まとめ

ワイヤー矯正は、美しい歯並びと正しい噛み合わせを手に入れるための大切な治療ですが、その過程では食事や歯磨きなど、日々の生活に工夫が必要になります。
硬いものや粘着性の高い食品を避けたり、痛みのあるときにはやわらかい食事を選んだりするなど、少しの配慮が快適な矯正生活につながります。また、丁寧に歯磨きをすることで、虫歯や歯周病の予防もしっかり行えます。
矯正期間は決して短くはありませんが、正しい知識と習慣を身につけることで、ストレスを減らしながら前向きに取り組むことができます。将来のきれいな歯並びのために、今日からできることを心がけましょう。
歯列矯正を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、一人ひとりのライフステージに沿った歯科医療を提供できるよう努めています。小児・成人矯正や予防歯科、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな診療に力を入れています。
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奥村 亮司
















