こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
虫歯や歯の破損などで歯を大きく削った場合、被せ物（クラウン）という人工の歯を装着します。被せ物に使われる素材にはいくつか種類があり、それぞれ見た目や耐久性、費用などが大きく異なります。
特に近年では、見た目の美しさや金属アレルギーへの配慮などから、より多くの選択肢が用意されるようになりました。
今回は、歯の被せ物にはどのような種類があるのか解説します。選ぶときのポイントについても解説しますので、歯の被せ物を選択する際の参考にしてください。
目次
歯の被せ物とは
被せ物（クラウン）とは、虫歯やケガなどで大きく削った歯を保護し、形や機能を元に戻すために使われる人工の歯のことです。
歯の全体を包み込むように装着し、噛む力をしっかり支える役割を果たします。見た目も自然に仕上げることができるため、前歯や奥歯など、さまざまな部分に使われています。
被せ物に使われる素材にはいくつか種類があり、それぞれ強さや見た目、耐久性が違います。また、どの素材が適しているかは、歯の場所や患者さんの希望、噛み合わせの状態などによって変わってきます。長く快適に使うためにも、自分に合った被せ物を選ぶことが大切です。
歯の被せ物が必要になる主な理由
被せ物はなぜ必要とされるのでしょうか。ここでは主な理由をいくつかご紹介します。
まず、虫歯が進行して歯を大きく削った場合、詰め物ではカバーしきれないことがあります。そういったときに被せ物を使うことで、歯の形や噛む力を回復させることができます。
また、神経を抜く治療（根管治療）をした歯は、割れたり欠けたりしやすくなります。そのため、治療後の歯を守る目的でも被せ物が使われます。
さらに、歯の色や形が気になる場合など、見た目を改善する審美治療としても活用されます。たとえば、変色した歯やすき間が気になる歯を、自然な見た目に整えることができます。このように、被せ物は機能面と見た目の両方を助けてくれる、大切な治療のひとつです。
歯の被せ物に使用される素材の種類
歯の被せ物に使用される素材にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。どの素材が自分に合っているかは、見た目の希望や予算などによって変わってきます。ここでは、代表的な5つの被せ物の素材と、それぞれの特徴をご紹介します。
金属
金属の被せ物は、いわゆる銀歯と呼ばれるもので、主に保険診療で使われています。とても丈夫で長持ちしやすく、奥歯のように強い力がかかる部分にも安心して使えます。また、治療費が安いのも特徴です。
ただし、見た目が銀色なので、口を開けたときに目立つことがあります。また、金属アレルギーの心配がある方には向いていません。機能面を重視する方や奥歯など目立たない部分に選択される傾向があります。
オールセラミック
オールセラミックは、すべてがセラミック（陶器）でできている素材です。白くて透明感があり、本物の歯のような自然な見た目に仕上がるため、前歯など見た目が気になる部分に使用される傾向があります。
また、金属を一切使っていないので、金属アレルギーの症状が現れる心配もありません。歯ぐきとのなじみも良く、長くきれいな状態を保ちやすいのもメリットです。
ただし、強い力が加わると割れることがあるため、噛む力が強い方や奥歯には向かないこともあります。
ジルコニア
ジルコニアは、人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度が高く、丈夫な素材です。白くて自然な見た目をしているうえに、金属並みの強さがあるため、前歯にも奥歯にも使うことができます。
また、金属が含まれていないのでアレルギーの症状が現れる心配がありません。長く使っても変色しにくい点もメリットです。
ただし、加工が難しく、高度な技術が必要なため、ほかの素材に比べて費用が高くなることがあります。耐久性と美しさを両立させたい方に選ばれている素材です。
e-max
e-maxは、ガラスのような透明感がある素材で、見た目がとても自然できれいな仕上がりになります。そのため、特に前歯など、笑ったときに目立つ場所に選択される傾向があります。金属を使っていないため、アレルギーの心配がなく、歯ぐきとのなじみも良好です。
ただし、ジルコニアと比べるとやや割れやすいため、奥歯のように強い力がかかる場所には不向きな場合があります。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジン（歯科用プラスチック）を混ぜ合わせた素材でできています。硬すぎないため、噛み合う歯を傷つけにくいという特徴があります。また、加工しやすく、費用もほかのセラミック素材に比べてリーズナブルです。
ただし、長い期間使うと変色したり、すり減ったりすることがあります。そのため、耐久性や見た目を長く保ちたい方にはやや不向きかもしれません。
歯の被せ物を選択する際のポイント
上述のとおり、歯の被せ物に使用される素材にはいろいろな種類があり、それぞれに特徴があります。どれを選ぶかは、見た目の希望や費用などを理解したうえで選択することが大切です。ここでは、歯の被せ物を選ぶときのポイントについてわかりやすくご紹介します。
審美性
見た目の自然さを重視する人にとって、審美性はとても大切なポイントです。特に前歯など、口を開けたときに目立つ部分には、周囲の歯と違和感がない素材を選びたいでしょう。
オールセラミックやe-maxのように、白くて透明感がある素材は、天然の歯のように自然に仕上がります。
逆に、金属の被せ物は強度が高いですが、銀色のため、口をあけたときに目立つことがあります。そのため、前歯には不向きかもしれません。自然な見た目を希望する方には、セラミック系の素材が選ばれる傾向があります。
価格
被せ物の素材によって費用は大きく異なります。保険が適用される金属の被せ物は安いですが、見た目やアレルギーの面で気になる点もあります。
一方で、セラミック素材を使用した被せ物は保険が適用されません。審美性や耐久性には優れている反面、費用が高くなる傾向があります。
どの被せ物を選ぶかは、見た目の希望だけでなく、予算とのバランスも大切です。治療前に、費用についてしっかり確認し、納得したうえで選びましょう。
耐久性・強度
歯の被せ物を長く快適に使うためには、耐久性も重要です。たとえば、奥歯のように噛む力が強くかかる部分には、丈夫な素材がよいでしょう。金属やジルコニアは強度が高く、割れにくいので奥歯に使用されるケースが多いです。
一方、オールセラミックやe-maxは審美性が高いですが、強い力が加わると割れる可能性があります。そのため、歯ぎしりの癖がある方や噛む力が強い方は、強度が高い素材を選ぶと安心かもしれません。
金属アレルギー
金属アレルギーがある方や、将来的に心配な方は、金属を使っていない素材を選ぶことが推奨されます。金属製の被せ物の場合、まれに金属アレルギーの症状が現れることがあります。
その点、オールセラミックやジルコニア、e-maxなどのメタルフリー素材であれば、金属アレルギーの症状が現れる心配がありません。もしアレルギーが心配な場合は、事前に歯科医院で相談し、自分に合った安全な素材を選びましょう。
まとめ
歯の被せ物に使用される素材にはさまざまな種類があります。それぞれ見た目や強度、費用などに違いがあり、希望に合わせて選ぶことが可能です。また、金属アレルギーの有無や歯の場所によっても、合う素材は変わってきます。
どの被せ物を選ぶかは、見た目や強度、予算などを考慮したうえで検討することが大切です。わからないことや不安な点があるときは、歯科医師に相談しましょう。
歯の被せ物を変えたい、見直したいと検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、一人ひとりのライフステージに沿った歯科医療を提供できるよう努めています。小児・成人矯正や予防歯科、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな診療に力を入れています。
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奥村 亮司
