こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。

根管治療は、歯の神経が炎症を起こした際に、歯を残すために行われる治療です。治療中や治療後の歯は刺激に敏感な状態で、食べ物や生活習慣によっては痛みやトラブルにつながることもあります。
治療を受けたあと、「いつから食事をしていいの?」「何を食べれば問題ないの?」などと疑問に思う方もいるでしょう。
この記事では、根管治療中・治療後に気をつけたい食事のポイントや、避けるべきものについて解説します。治療を順調に進めて歯を長く守るために、ぜひ参考にしてください。
目次
根管治療とは

根管治療とは、虫歯が進行して歯の神経(歯髄)にまで感染し、炎症が起こった場合に行う治療です。歯の内部にある根管から、感染した神経や細菌を取り除き、内部を洗浄・消毒したうえで薬剤を詰めて密閉します。炎症による強い痛みを取り除き、歯を抜かずに残すことが目的です。
治療は1回で終わらないことが多く、数回に分けて進められます。その間は仮蓋をした状態で、再度炎症を起こすおそれがあるため食事内容にも注意が必要です。
根管治療中・治療後に避けるべき食べ物

根管治療中や治療直後の食事には注意が必要です。食べ物によっては、痛みが強くなったり、仮蓋が外れたりするおそれがあるためです。
ここでは、根管治療中・治療後に避けたい食べ物について解説します。
硬いもの
せんべいやナッツ類、フランスパンなどの硬い食べ物を噛むと、治療中の歯に強い負担がかかります。根管治療中の歯は、内部の根管内が空洞になっているため、通常よりも割れやすい状態です。
硬いものを噛むと、痛みが出るだけでなく、歯にヒビが入ったり、仮蓋が外れたりする原因になるため、治療が完了するまでは控えましょう。治療後も、被せ物をした歯で硬いものを噛むと破損する恐れがあるため、控えるか、ほかの歯で噛むことが望ましいです。
粘り気が強いもの
ガムやキャラメル、餅、グミなどの粘り気が強い食べ物も注意が必要です。噛んだときに仮蓋に絡みつき、外れることがあるためです。
仮蓋が取れると、根管内に細菌が侵入し、再感染のリスクが高まります。治療のやり直しにつながる可能性もあるため、粘着性の高い食品は避けましょう。
温度が極端に高い・低いもの
熱いスープや飲み物、氷入りの冷たい飲料などは、治療中・治療後の歯に刺激を与えやすくなります。根管治療後は、歯の内部や周囲の組織が敏感になっているため、強い温度刺激によってしみたり痛みを感じたりすることがあります。
痛みが落ち着くまでは、常温に近い飲食物を選びましょう。
刺激のあるもの
香辛料の多い料理や唐辛子、わさびなどの刺激物も控えたほうがよいでしょう。刺激の強い飲食物は、歯や歯茎の炎症を悪化させたり、治療後の違和感を強めたりすることがあります。
特に、治療当日や痛みが残っている期間は、刺激の少ない食事を心がけると、治癒の進行を妨げにくくなります。
糖分の多いもの
根管治療では、歯の内部を無菌に近い状態に保つことが重要です。しかし、糖分を頻繁に摂取すると、仮詰めのすき間や歯と歯茎の境目にプラークがたまりやすくなり、細菌感染のリスクが高まります。その結果、治療中の歯の炎症が悪化したり、治癒が遅れたりする可能性があるのです。
治療期間中は、チョコレートやキャンディ、ケーキなどの甘いお菓子のほか、加糖されたジュースやスポーツドリンクの摂取はできるだけ控えましょう。甘いものを口にした場合は、早めにうがいや歯磨きを行い、口腔内を清潔に保つことが大切です。
根管治療中・治療後に食べやすいもの

根管治療中や治療直後は、歯や歯茎に負担をかけにくく、無理なく食べられるものを選びましょう。例えば、以下のような食品が考えられます。
- おかゆ・雑炊
- 煮込みうどん・そうめん
- スープ・ポタージュ
- 肉・魚・野菜などを煮込んだもの
- 豆腐
- ヨーグルト
- バナナ
やわらかく、噛む回数が少なく済む食品を選ぶと、仮蓋が外れたり歯に負担をかけたりしにくいです。また、栄養をしっかり補給できる食品を選ぶとよいでしょう。
根管治療後の食事の注意点

ここでは、根管治療後の食事で気をつけたいポイントを解説します。
治療直後の食事は避ける
根管治療の直後は、麻酔が効いていることが多く、感覚が鈍くなっています。その状態で食事をすると、頬や舌を噛んだり、治療した歯に強い力が加わったりするおそれがあります。
個人差がありますが、治療直後1〜2時間程度は麻酔が効いていることが多いです。治療当日は麻酔が切れるのを待ってから食事をとるようにしましょう。
また、治療中の歯は仮蓋の状態であるため、完全に密閉されていない状態です。食事によって細菌や汚れが入り込むと、炎症や再感染の原因になりかねません。
顎に負担をかけない
根管治療後は、歯の内部や周囲の組織にまだ炎症が残っていることがあります。硬いものを食べると、顎や歯に負担がかかり、痛みが出やすくなります。
また、治療した歯の反対側ばかりで噛むと、反対側の顎に負担がかかります。根管治療中や治療後は、硬い食べ物を避け、やわらかい食べ物を選ぶほうが安心です。
禁酒・禁煙する
アルコールは血流を促進する作用があり、治療部位の炎症や腫れを悪化させる可能性があります。また、喫煙は血行を悪くし、治癒を遅らせる要因になります。
特に、治療直後や痛みが残っている間は、禁酒・禁煙を心がけましょう。治療の経過を良好に保つためにも、飲酒や喫煙を控えることが望ましいです。
栄養バランスの取れた食事を心がける
根管治療後の回復を助けるためには、体の免疫力を高めることも重要です。そのため、栄養バランスのとれた食事を意識しましょう。たんぱく質やビタミン、ミネラルは、傷ついた組織の修復や炎症の回復に役立ちます。
一方で、糖分の多い食事や偏った食生活が続くと、細菌が増えやすくなり、口腔内環境が悪化しやすくなります。治療後は、やわらかく消化のよい食事を中心に、栄養面にも配慮することが大切です。
口腔ケアを徹底する
治療した歯の周辺は、汚れがたまりやすく細菌繁殖しやすい環境になります。食事後は、歯磨きをしっかり行って口内を清潔に保ちましょう。歯科医から指示があることが多いですが、根管治療中は、治療した歯はもちろん周囲の歯や歯茎も丁寧に磨くように心がけてください。
食後はうがいをすることや歯磨きをすることはもちろん、就寝前のケアを徹底することで、根管治療後の回復を促進し、さらなる感染リスクを最小限に抑えられます。
歯科医院に相談すべきサイン

根管治療後に、歯に気になる症状が現われた場合はすぐに歯科医師に相談してください。具体的には、以下のようなサインがあるときです。
- 何も食べられないほど強い痛みが数日以上続く
- 歯茎が腫れたり膿が出たりしている
- 仮蓋が外れた・欠けた
- 被せ物がずれた・破損した
- 発熱した
根管治療後の痛みは3日〜1週間程度で落ち着くことが多いです。痛みがおさまらない場合や歯茎が腫れたり発熱したりした場合は、再感染を起こしている可能性があるため、すぐに歯科医院を受診しましょう。
また、硬いものを食べたり強く噛み締めたりなどして、仮蓋や被せ物が破損することもあります。放置すると再度感染するおそれがあるため、歯科医院に連絡してください。
まとめ

根管治療中・治療後は、硬いものや粘着性の強い食べ物、刺激の強い飲食物を避け、歯に負担をかけないことが大切です。やわらかく煮込んだ野菜や魚、おかゆなど、やわらかいものを選ぶと、治療中の歯に負担をかけにくいです。
また、再び炎症が起こるのを防ぐために、丁寧に口腔ケアを行いましょう。食事や口腔ケアに注意することで、ご自身の歯を守ることにつながります。
治療後に痛みが長引く、噛むと強く痛む、歯茎が腫れるなどの異変がある場合は、自己判断せずに早めに歯科医院へ相談してください。
根管治療を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、一人ひとりのライフステージに沿った歯科医療を提供できるよう努めています。小児・成人矯正や予防歯科、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな診療に力を入れています。
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奥村 亮司
















