こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
「前歯の歯と歯の間にすき間がある」「前歯が1本だけ傾いている」「前歯がガタガタで歯を見られたくない」など、前歯の歯並びを気にする方は多いです。奥歯の歯並びや噛み合わせは目立たないため気にならないかもしれませんが、前歯の歯並びを治療したいと思うことはあるでしょう。
今回は、前歯だけ部分矯正はできるのかどうかを解説します。前歯だけ部分矯正するメリット・デメリットや、治療法、治療期間などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
前歯だけ部分矯正はできる？
矯正治療と聞くと全体の歯並びを治療するイメージを持つ方が多いかもしれませんが、部分的に矯正治療を行う部分矯正という治療法もあります。
前歯の歯並びだけが気になる場合、前歯だけを部分矯正するとよいでしょう。部分矯正は、気になる部分の歯並びだけを整える治療法です。すべての歯を治療するわけではないので、治療期間が全体矯正に比べて短くなります。
前歯だけ部分矯正するメリット・デメリット
前歯だけ部分矯正するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
前歯だけ部分矯正するメリットは、以下のとおりです。
治療期間が短い
前歯だけを動かすので、全体矯正と比べて治療期間が短いです。前歯は奥歯よりも比較的動きやすいとされているので、奥歯まで動かす全体矯正よりも治療期間が短くなるでしょう。
全体矯正の治療期間は1〜3年程度が一般的ですが、部分矯正の場合は数か月で終了することもあります。結婚式などのイベントを控えているなど、目立つ前歯のみ早く整えたい場合に適しています。
費用を抑えられる
部分矯正で使用する矯正装置は、全体矯正で使用するものよりも小さいです。そのため、全体矯正よりも費用を抑えられるでしょう。
治療期間も短いので、通院などにかかる費用も抑えられます。
治療中の痛みが少ない
矯正中の痛みは、歯が動くことや矯正装置が粘膜に触れることで生じます。部分矯正は全体矯正よりも動かす歯の本数が少ないので、痛みは少ないでしょう。矯正装置をつける範囲も狭いので、装置が触れることによる痛みも少ないです。
デメリット
前歯だけ部分矯正するデメリットは、以下のとおりです。
奥歯の歯並び・噛み合わせは治療できない
部分矯正では、奥歯の歯並び・噛み合わせは治療できません。前歯だけしか治療できないため、奥歯の歯並び・噛み合わせも改善したい場合は、全体矯正を選択したほうがよいでしょう。
適応症例が限られている
部分矯正の治療ができる歯並びは限られています。すべての人が部分矯正で治療できるわけではありません。
部分矯正では治療できないと判断された場合は、全体矯正を行う必要があるでしょう。
歯を削る場合がある
部分矯正ができる歯並びでも、そのままの状態では歯を並べるスペースが足りないことがあります。歯を並べるスペースが足りない場合は、歯をわずかに削って足りないスペースを確保します。
歯を削る量は最大0.5mm程度とごくわずかですが、健康な歯を削ることに抵抗がある方もいるでしょう。治療を始める前に、歯を削る必要があるかどうか確認してください。
部分矯正できる前歯の歯並びとは？
部分矯正できる前歯の歯並びは、以下のとおりです。
軽度の叢生
叢生は、ガタガタした歯並びのことです。上の犬歯が歯並びから飛び出している八重歯も叢生に分類されます。軽度の叢生は、部分矯正で治療できるでしょう。
軽度の出っ歯
上の前歯が前に傾いている状態を、出っ歯といいます。軽度の出っ歯は、部分矯正で治療できます。歯を並べるスペースが足りない場合、歯を削ってスペースを確保することがあるので事前に確認しましょう。
ただし、部分矯正で治療できるのは骨格に問題がない出っ歯です。顎の骨の大きさや位置が原因で出っ歯になっている場合は、部分矯正では治療できません。
すきっ歯
すきっ歯とは、歯と歯の間にすき間がある状態のことです。前歯の間にすき間がある場合、部分矯正で治療できます。歯と歯の間のすき間を埋めるように歯を動かして改善するのが一般的です。
軽度の受け口
受け口とは、下の歯が上の歯より前に出ている状態のことです。軽度の受け口は、部分矯正で治療できます。
ただし、骨格に問題がある受け口は部分矯正では治療できません。
矯正後の後戻り
後戻りとは、矯正治療で整えた歯並びがもとの状態に戻ることです。後戻りした歯並びも、部分矯正で治療できます。
前歯だけ部分矯正する場合の治療法
前歯だけ部分矯正する場合の治療法をご紹介します。ワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つの治療法から選択するのが一般的です。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯に装着したブラケットにワイヤーを通して力をかけることで、徐々に歯を動かす治療法です。マウスピース矯正のように自分で矯正装置を取り外すことはできません。
ワイヤー矯正には、前歯の表側に装置をつける表側矯正と、裏側につける裏側矯正があります。表側矯正は口を開けると矯正装置が見えますが、お手入れがしやすい方法です。
裏側矯正は、表側矯正に比べて装置が目立ちにくいです。裏側に装置があるので、舌に当たって痛みを感じる場合や、滑舌に影響が出る場合があります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明のマウスピースを使って歯を動かす治療法です。部分矯正は、マウスピース矯正でも行えます。
マウスピース矯正のメリットは、マウスピースが透明なため、装着していても目立たないことです。ワイヤー矯正と違って装置を自分で着脱できるので、食事や歯磨きをふだんどおり行えることもメリットでしょう。
マウスピース矯正で部分矯正を行う場合、歯全体を覆う装置をつけて必要な歯のみを動かします。1日20時間程度マウスピースを装着するよう指示されるのが一般的です。
マウスピースで行う部分矯正は、ワイヤー矯正よりも費用を抑えられる場合が多いです。
前歯だけ部分矯正する場合の治療期間
全体矯正の治療期間は1～3年ほどですが、前歯のみの部分矯正の場合は3か月〜1年と短期間で治療を終えることができます。
前歯は根が1本しかないので、歯の根が2～4本ある奥歯に比べて歯が動きやすいこと、部分的な矯正であることが、治療期間が短い要因でしょう。軽度の歯並びの乱れであれば、3か月程度で治療が終わります。
ワイヤー矯正では、表側矯正の場合は3か月〜1年程度、裏側矯正の場合は6か月〜1年程度の治療期間が必要です。マウスピース矯正の場合は、３か月〜１年程度でしょう。
前歯だけ部分矯正する場合の費用
矯正治療は、保険適応外のため自由診療となります。歯科医院によって費用が異なるので、ご紹介する費用は目安として参考にしてください。
前歯だけ部分矯正する場合の費用は、以下のとおりです。
ワイヤー矯正
表側に矯正装置をつける場合は、300,000～600,000円ほどの費用がかかります。使用する矯正装置の種類によっても費用が変動し、金属製のブラケットが最も安いです。
裏側矯正の場合、費用の相場は400,000～700,000円です。歯の裏側の形は複雑なため、装置を装着する際に高度な技術と専門的な知識が必要になります。既存のブラケットを装着できず、オーダーメイドで製作することもあるでしょう。そのため、表側矯正と比べて費用がかかることが多いです。
マウスピース矯正
マウスピース矯正の費用の相場は、100,000～500,000円です。ご自身でマウスピースを交換するため、ワイヤー矯正のように調整料がかかりません。そのため、ワイヤー矯正より安い場合が多いです。
まとめ
前歯だけの部分矯正は、全体矯正よりも治療期間や費用、矯正による痛みを抑えることができます。ワイヤー矯正とマウスピース矯正があり、治療法によって費用や治療期間が異なります。
部分矯正ができる歯並びは限られているので、前歯の部分矯正を検討されている方は一度歯科医師に相談しましょう。
前歯の部分矯正を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司
